転生したらスライムだった件 個人的感想ブログ

転スラ(転生したらスライムだった件)の感想を書いている個人ブログです。なお、既に完結しているWeb版は読んでません。小説版の感想です。ネタバレしているので本編を読んでから感想を読んでください。

転スラ1巻(小説版)の感想 リムルすげー!自分も転生したいっす!

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※この感想は小説版(Kindle)のものです。管理人は既に完結しているWeb版は読んでません。
なお、ネタバレしているので未読の方は先に読んでからご覧ください。

転生したらスライムだった件1の感想をまとめます。
私はこの時点で13巻まで読んでいますが、1巻から読み返しながら書いています。

序章 死亡~そして転生

転生後、多くの魔物から絶大な人気を得ているリムルですが、生前はモテない男だったそうな。

いやいや、そんなわけないやん!と思います。

転生後、リムルは捕食者と大賢者というでたらめなユニークスキルを武器に魔王へと駆け上がりますが、実はリムルの最大の武器は、面倒見の良さと、懐の深い人格、突出したコミュニケーション能力なんじゃないかと思います。

まず、自分を犠牲にしてまで後輩・田村を助けるのが凄い。
転生後でも、ゴブリンの村を救ったり、勘違いして襲ってきたオーガ達を殺さず説得するなど、人格が立派。かといって偉ぶらないし、誰とでも分け隔てなく接する懐の深さもあります。

コミュニケーション能力に関しては、いきなりヴェルドラと友達になるのが凄い。
その後も、圧倒的スピードで仲間を増やしますが、それは戦闘の強さもありますが、人間的魅力やコミュ力の影響が大きいように感じます。

なお、生前の三上さんは顔も悪くなく背も低くなく、大手企業に勤めてるのにモテないわけないでしょ!
よっぽど高望みしていたか、モテてたのに気づかなかったかどちらかでしょう(多分後者)。

それはともかく、いい人なのにあまりいい思いをせずに死んでしまった三上さん。
しかし、その分、転生先では素晴らしい人生が待っていました。

ところで、話はそれますが、死んでどこかの世界へ転生する可能性って0%じゃないと思うのですよ。

科学的にはあり得ない?
まあ、物理的にはあり得ないと思いますが、脳内では可能なことだと思います。

死ぬまでの刹那の時間に、走馬灯のように人生が1から再生されることがあるそうですが、脳内では一瞬を人生に匹敵する時間に感じることもあり得る、ということを意味しますよね。

また、人間は寝るとき夢を見ます。夢は現実にそったリアルな内容というよりは、現実離れした内容のものが多いです。
本人が望んだ内容の夢を見ることは不可能ではありませんが、基本的になぜそんな突拍子もない夢を見ることになったのかは、理解できないことの方が多いです。
一方、臨死体験をした人の話では、亡くなった人に会ったなど、現実離れした体験をしたとの報告も多いですし、死ぬ直前に夢を見ていた、と考えることも出来そうです。

つまり、死ぬ前に長い長い夢を見ること、それが現実離れした内容であることは可能性としてはあるのではないでしょうか?

そういう意味で、「転生したらスライムだった件」は三上さんが生物的に亡くなるほんの一瞬、脳内で繰り広げられた果てしない夢と言うことができます。

私も死ぬときは是非、転スラのような世界に、「便利すぎるユニークスキル付き」で転生したいものです。
そんな一縷の希望があれば、死ぬときの恐ろしさも少しは和らぐかと思います。

第一章 初めての友達

いきなりスライムに転生したこともあって、後の巻に比べるとテンション高めなリムルさんです。

そして、持ち前のコミュニケーション能力によりヴェルドラと友達になることに成功。

リムルに打算はなく、純粋に友達になりたかっただけですが、結果的にヴェルドラと友達になることはリムルの成り上がりスピードを加速させることになりました。

それにしても、もし、私がリムルの立場なら、ビビリのコミュ障なんで、ヴェルドラは適当にヘコヘコして友達になることなく通り過ぎたと思います。
捕食者と大賢者があっても、決して大成しなかったでしょう。そこが、リムルと私の器の差ですね。。

ところで、もしヴェルドラと出会わなかった、あるいは友達にならなかったらリムルはどうなっていたか?

リムルは有能なのでヴェルドラから教わった魔力感知もいずれは気づいたでしょうし、時間はかかってもそれなりに強い魔物に成長したと思います。

ただ、ヴェルドラという魔素の貯蔵庫がないためゴブリンやオーガの名付けのところでつまずくいて、リムルの配下はそれほど強くはならないはずです。
さらに、名付けによって配下と強い絆を結ぶリムルですが、それが出来ないとすると、配下の数も少なくなりそうです。

なので、リムル単体としてはそれなりに強くなっても一つの国を作るほどの勢力にはならなかったでしょう。

もし、国を名乗ってもヴェルドラという後ろ盾がない以上、周辺国家からは頻繁に侵略を受けて、かなり大変なことになるはずです。
結局は、ゴブリンの村とかの守護神として、あるいはリムルに目をつけていたトレーニーさんの片腕として、まあまあの立場と待遇の人生を送るのではないでしょうか。

やはり、この世界に衝撃を与えた新星(ニュービー)はヴェルドラとの出会いがないとまぶしく輝かなかったでしょう。

…いや、そもそも、長年封印されて人恋しい状態だったヴェルドラの願いが、リムルを異世界から呼び寄せた可能性もあります。リムルはヴェルドラの魔素たまりで発生していますし、ヴェルドラの影響を受けていたとしてもおかしくありません。とすれば、リムルとの出会いは偶然ではなく必然となりますね。

さて、仮定の話はこれぐらいにして、本筋に戻ります。

ヴェルドラとの出会いも幸運でしたが、リムルが生まれた場所もいいことずくめでした。

ヒポクテ草が大量に生えていたので、それを摂取し回復薬を大量生産し、体内に貯蔵することが出来ました。
これが後々大いに役に立つことになります。

また、大量の魔鋼もドワルゴンなどで役に立ちます。

洞窟内の適度に強い魔物との戦闘はリムルのよい訓練になりましたし、スキルを盗むことでパワーアップもできました。

ちょっと出来すぎですね。

ドラクエで例えたら、物語開始時で既にレベルが20ぐらいあって、しかもすぐにレベル99の竜が仲間になって、洞窟で戦っているうちにレベル25ぐらいになって冒険開始という状況です。
世界最強には遠いですが、それでも広大なジュラの大森林の中ではほぼ敵なしというチートぶりです。

都合のよすぎる設定ですが、転スラは「俺ってツエー!!」を楽しむ作品なのでこれで良しです。

さて、その後はブルムンド王国やシズさんのパートがありますが、そこは特に感想なし。

リムルがゴブリンの村を救うところが一番の見せ場ですね。

敵のリーダーを一瞬で倒すなど、リムルの圧倒的な戦闘力も凄いですが、それより、リムルの知謀に驚きです。
前世はゼネコン社員じゃなくて名のある戦国武将とかじゃないの?というぐらいキレキレの策で敵を完璧に嵌めました。

また、リムルはヴェルドラや後に登場するオーガ達と違って戦闘狂ではありません。戦うことに楽しみを見いだすよりは犠牲がなるべく出ないように必要以上に戦うことを避ける慎重さがリムルにはあります。
その結果、狼牙族という強力な部族を仲間にすることが出来ました。

ヴェルドラとかなら、ためらうことなく狼牙族を殲滅させたでしょうが、後に魔王になる男はやはり発想が違うのでしょうね。

今後もこのパターンでリムルはどんどん仲間を増やしていきます。


ゴブリンと狼牙族を配下におさめたリムルですが、ここで名付けを連発します。本人は軽い気持ちでやっていますが、本来はとても危険な行為。しかし、ヴェルドラを体内に取り込むというファインプレーのおかげでセーフ。
そしてゴブリンや狼牙族は進化してパワーアップします。何もかもが順調です。

その後、ゴブリンの村のトップとして政治家・行政家としての有能さも見せつけるリムル。やはり完璧超人。なぜ前世でモテなかったのか理解できない…。

少女と魔神

物語序盤の重要人物であるシズさんのパート。
リムルとシズさん。同じ日本出身異世界人でも、この世界での明暗は分かれています。
シズさんは生前も大変な時代に生きていましたが、転生後も不本意で重い人生を送っています。
正直、いくら強くてもシズさんの境遇なら転生したくないですね…。
そう思わせる話でした。

第三章 ドワーフの王国にて

ドワルゴン入国そうそう捕まってしまうリムルですが、体内に隠し持った高性能回復薬で人助けをしてピンチを脱出します。
その後、これまた体内に隠し持った魔鋼と自身の複製能力によりカイジンのピンチを救い、感謝されます。
情けは人のためならず、結局、リムルの面倒見の良さのおかげでカイジン達を仲間に出来ます。
カイジン達はランガやリグルドと違い、名付けによって仲間になったわけではなく、リムルの人柄に惚れて仲間になりました。
この章ではリムルの戦闘力ではなく、コミュ力や人を引きつける魅力が遺憾なく発揮されていますね。

第四章 爆炎の支配者

シズさんのパートですが、前半はゴブリン村の発展と拡大の様子が書かれています。
町を作る際にいきなり下水道を作るという発想は、この世界では誰も考えつかないでしょう。やっぱリムルすげー。
そして、新たに配下となったゴブリンの名付け。これでまた勢力が大きくなります。
…順調すぎて、波瀾万丈のシズさんが気の毒になるぐらいです。

その後はブルムンドのエレン達の話です。そこそこ強い人たちですが、リムルに比べると凡人過ぎるので、その活動ぶりを読んでてもあまり楽しくはないですね。しかし、そこにシズさんが加わることで一気に興味深くなります。

そのシズさんですが、程なくして暴走。シズさんの中にいたイフリートがリムル達に襲いかかります。
実力は拮抗していますが、リムルの「熱変動耐性」が決め手となって勝利。上位精霊に勝つなんてやっぱリムルすげー。

その後、シズさんの最後を看取ります。最後の最後で、リムルと出会うことで少しだけ救われたシズさん。
一方、リムルはシズさんの無念を引き継ぐことになりますが、思いがけずシズさんの強力なスキルと美しい外見も引き継ぐことになります。終始ハードモードな人生を送ったシズさんに比べて、リムルは明らかにイージモード。この差は何?

終章 受け継がれる姿

シズさんを食べたことにより、リムルは人型の姿を手にいれます。

リムルは前世では男ですが、この世界では無性でした。
一人称は俺だし、心も男のはずですが、なぜ体も男にしなかったのか?

リムルの器量であれば、男だとすると女性の魔物からモテまくるのは想像に難くありません(逆も同じ)。
すると、物語の比重が男女関係の方に傾き、バトルや国の発展、国家間の駆け引きの様子などの描写が減ります。
個人的にはハーレムの物語も悪くないと思いますが、転スラでは少年漫画っぽい純粋なバトルや成功物語に比重を置いてほしいと思うのでリムルを無性にしたことを支持したいです。

恋愛の要素をあえて入れないために、ワンピースのルフィーみたいに、まったく女に興味がないという硬派なキャラにするという手もありますが、リムルは生前童貞だったことを残念に思っているぐらいなので、それはやっぱ無理ですね。。

まっ、無性の体になったことで、女湯にも堂々と入れるので、それはそれでよかったのかもしれませんが。

外伝 ゴブタの大冒険の感想は割愛します。
しかし、伏瀬先生はかなりゴブタ押しですね。

転スラは戦いのシーンが多く、時としてシリアスな展開になりますが、ゴブタの脳天気さがそれを和ませます。いわゆるコメディリリーフという役割ですね。
こういう役柄はバトルが続いても死なないことが多いので、ゴブタは安心してみられるキャラです。あと、この先出てくるガビルなんかも面白キャラなので死ななそうです。

<まとめの感想>

この先十何巻と続く転スラ小説版ですが、第1巻は内容てんこ盛りでした。
しかし、一言で言えば「リムルすげー」です。

無敵に思えるほどの戦闘力に加え、元普通のサラリーマンとは思えないほどの知謀、人(魔物)を引きつける魅力、誰とでもすぐに仲良くなれるコミュ力、町を発展させる技術者としての能力、ついでに美形など、よく考えれば完璧超人過ぎです。

ただ、リムルはその能力の割に世界征服など大きな野心をもっているわけではなく、性格も心優しいですが、高潔でも正義漢でもありません。元の世界の生活をなるだけ再現して、後は仲間と楽しく暮らすことがリムルの目標で、それはこの先でもぶれません。
完璧超人でも心の中は私のような凡人と同じようなもので、そこに親しみを感じます。

なんか、凄いんだけど凄くないように感じさせるのが逆に凄いキャラですね。