はじめに
転生したらスライムだった件9巻(漫画版)の感想をまとめます。
8巻ではカリプデュスとの戦いがメインでした。リムル達を圧倒するほど強かったですが、最後はミリムが倒し、依り代となっていたフォビオもリムルの力で救われます。
フォビオの主である魔王カリオンに一つ貸しを作ったリムルですが、今後の交易を見据えて互いに使節団を送ることになります。
9巻はその使節団をテンペストに受け入れるところから始まります。
第40話 獣王国との交易
まず、冒頭でベニマルを筆頭としたテンペスト使節団を送り出します。
出発のときのリムルの台詞が印象的です。
「我慢しながらじゃないと付き合えそうにないのならそんな関係はいらん」
シンプルですが至言ですね。
外交でも人間関係でも、どうしても嫌な奴と関わる必要があるのが世の常ですが、リムルはこの世界ではかなり強者ですし、いやなら付き合わないという選択が出来るのは自信の表れでもあるのでしょうか?
ところで獣王国ユーラザニアの国力ですが公式設定集(8.5巻)によれば人口は3億人、気候が温暖で果実園が多い、とあります。
一方、テンペストの人口は不明瞭ですが、数十万人程度と考えられます。
国土のほとんどは森林で生産性は高くないはずです。
国力からしても獣王国が圧倒していますし、戦士団も屈強であることから、現段階でテンペストが獣王国と争うとなれば敗北は必至です。絶対に怒らせてはいけません。
リムルからすると付き合うのは大変な大国となりますが、変に付き合うぐらいなら無視すればいい、という考えなのかもしれません。
さて、その後、使節団の件とは関係なくヨウムが現れてテンペストに滞在します。
ほどなくして、獣王国からの使者がやってきます。
三獣士筆頭のアルビスは丁寧な物腰ですが、スフィアは明らかにけんか腰です。
スフィアvsシオン、ヨウムvsグルーシスの戦いが始まります。
結局これは芝居なのですが、それにしても危険すぎます。
最後は上手くまとまったからいいものの、下手すりゃ戦争に繋がりかねません。
やはり、脳筋のスフィアとフォビオは外交には向いていないと思います。。
しかし、さすがリムル。
この場を見事切り抜け、使節団からの信用を得ることに成功しました。
その後は転スラではお馴染みの酒盛りのシーン。
獣王国の果物をテンペストに輸入して、その代わりにそれで作った酒を渡すという話がまとまります。
しかし、獣王国、果物の産地なのにこれまでまともに酒を作ってこなかったのか?酒好きの国民性みたいなのに…。
第41話 ガゼル王の招待(前編)
冒頭でアルビスとスフィアは国に帰りますが、その配下はテンペストに残ってその技術を学んでいます。世界最先端の技術を惜しげなく見せるリムルはなかなかの太っ腹です。
さらにそうこうしているうちに獣王国に派遣されていたベニマル達が帰ってきます。
獣人達の強さはさすがとベニマルは評しています。
お土産でもらった果物はあまくて美味しいので、次の使節ではその生産技術を学んでくることになりました。
ただ、獣王国から学べることとテンペストが教えられることを秤にかけたら、釣り合わないと思います。
とはいえ、強さは本物なので、敵対することは避けたいですし、上手く恩を売りたいところなのでしょう。
なお、ベニマルがカリオンに喧嘩を売ってコテンパンにされたとのこと。
どうやらベニマルもスフィアと同じぐらい外交には向いてないようです。
その後、ガゼル王の招待を受け、ドワルゴンにたび立つリムル達。
以前、ドワルゴンに行ったときは牢に入れられたり、最後は国外退去になるなど散々でしたが、今回は国賓待遇です。
リムルはこういう場合の振る舞い方をよく知らないので、シュナが上手く補佐をします。
そしてガゼルとプライベートの場で会談します。
そこでも酒を振る舞い、その美味さにガゼルはうなります。是非獣王国との交易を成功させて美味い酒を融通するようにリムルに迫ります。
この世界はよっぽど美味い酒に需要や価値があるようです。獣王国も本気で酒作りをすればいいのに。
いい雰囲気でしたが、この場でシオンが大ぽかをやらかします。
他国の王の前で酔っ払ってその場で倒れるという失敗。というか秘書なのに飲んじゃだめでしょう。
なお、巻末のヴェルドラのスライム観察日記において、その様子を見ていたイフリートはいいます。
「魔王レオン様の配下であのような者がいれば、その場で頭と身体が分離しています。私がいれば灰も残らず焼き尽くしたでしょう」
まあ、そうだわな。
でも大事にならず、シオンは許されます。
これも普段のキャラが大切と、ヴェルドラとイフリートは思いを巡らせています。
まあ、ヴェルドラがやっても、キャラ的には問題にならないでしょうし、そもそもヴェルドラ相手に文句を言える存在もリムルだけなので大丈夫だと思いますが。
第42話 ガゼル王の招待(後編)
前編の翌日。
リムルはドワルゴン国民の前でスピーチしました。
なかなかよい内容だと思いましたが、ガゼルからは駄目だしをくらいます。
それに感謝するリムル。ガゼルもそうですが、やはりリムルも大きな男です。
その夜、リムルやゴブタ、カイジンなど男キャラで高級クラブへ行きます。
しかし、帰りにシュナとシオンに見つかり説教されます。
シオンはおいて行かれたことをすねているだけですが、シュナは怒っています。
結局リムルは謝罪する羽目になります。
しかし、これはシュナは筋違いです。
妻でも彼女でもないのに、出しゃばり過ぎ、逆にリムルから怒られても仕方ないシーンです(まあ、そこで謝るところがリムルのいいところなのですが)。
とはいえ、もしリムルがこの世界で結婚するならシュナが一番相応しいと思います。頭が良くて品格もあり、料理や裁縫も得意という、登場人物中では1,2位を争うほど出来た人物です。
シオンは論外…。
第43話 人間の国へ
シズさんの記憶に触発されて、イングラシアという人間の国へたび立つことにしたリムル。
お供はランガとソウエイの分身体、そして3人の冒険者、エレン、カバル、ギド。
転生して2年近くになるリムルですが、人間の国へ行くことは初めてで楽しみにしています。
道中は道に迷ったりしながらも、自分の行く末を考えたりします。
ここで9巻は終わり。
8巻とは違い、大きなバトルもなく、比較的穏やかな巻になりました。
しかし、私は小説版を読んでいるので先を知っていますが、この先はバトルもありますが、スカッとしないしんどい展開になります。
おそらく10巻、11巻ぐらいは読んでてつらい部分もある巻になると思います。
ヴェルドラのスライム観察日記~外交編~
この巻末の小説に関しては、漫画版の後ろじゃなくて別巻小説として刊行して、その分漫画をもう一話いれてほしいという声もありますが、個人的にはこの小説は漫画と同じぐらい楽しみにしているので、このまま続けてほしいです。
獣王国の使節がやってきたところで、スフィアがリムルに喧嘩を売ったことについての、スフィアの思惑がネタばらしされています。
そんな感じで、本編を深く理解する上でこのスライム観察日記は一粒で二度美味しいです。
ベニマルがカリオンに喧嘩を売ってコテンパンにされたことを知って、我ならば逆にコテンパンにしてやったものを。「次の使節団の団長は我に決まりだな!」とイフリートに話します。
実際はヴェルドラは封印されているので使節団には参加できないものの、カリオンより遙かに強いのでコテンパンにすることは可能です。本当にやったら面白いなと思います。
てか、ヴェルドラが団長として行ったらカリオンもドン引きすると思いますし、大混乱になるでしょう。想像するだけで笑えます。
他にもヴェルドラとイフリートの会話の掛け合いが笑えました。
漫画と違って、完全描き下ろし作品なので、先が分からず面白いです。
9巻に関しては実はこの巻末小説が一番面白かったかもしれません。
転スラ漫画版10巻はいつ出るか?
9巻の発売日は2018/9/28、8巻は2018/6/8、7巻は2018/3/9、6巻は2017/12/8となっていました。
概ね、3ヶ月から4ヶ月のスパンで新刊が出ています。
とすれば、10巻が出るのはおそらく2019年1月になると思われます。
ちょっとまだ先が長いですが、転スラアニメでも見て待ちたいと思います。